HONEYMOONER IN CEBU


「なあにを今更新婚旅行なんて…」という批判の声を聞き流しつつ、新婚旅行へ行ってまいりました。2000年9月8日〜16日セブ島へ。セブ島って何処だっけとお思いのあなた、セブ島はフィリピンの真ん中あたりにあります。じゃあ、セブ島は何をするところかと言いますと、リゾート。成田から5時間弱、安近短なお手軽リゾートです。ここのところ、ずーっと忙しく過ごしていたのでノンビリするのを第一目的として計画。

そしてこの旅行では、かねてから一人密かに計画していた相方さんにダイビングライセンスを取らせるという行為も実現するに至ったのです。今までも色々と画策しておりました。清水玲子の「なまけもののダイビング」(マンガ)を読ませたり、テレビでダイビングの番組をやってるときは手を止めてじっと見たり、洗脳していたのです。そしてHISでライセンス取得コースinセブ島というプランを発見し、なにげな〜く申し込んでしまったというわけです。

それでは旅行のはじまりはじまり。

September 8th, Friday

9月に入ってからは仕事もめいっぱい忙しくてほぼ毎日残業。出発前々日は出張により不在、出発前日も終電ギリギリまで仕事してたら、旅行準備が皆無の状態で出発10時間前を切ってしまったのでした。ダイビング道具とパスポートさえあれば行けるさと、残りは何も考えずに適当にトランクに放り込む。ほとんど寝ないまま朝を迎え、とりあえず掃除したりゴミ捨てしたり<帰ったときに家の中がグチャグチャしているのが嫌いなのよ。

NEXに乗り成田空港第二ターミナルへ。日焼け止めとか虫除けとか何も持ってないので購入。リゾートする(?)つもりなので「リゾートったら浜辺で読書でしょう」ってことで何冊か本もお買い上げ。相方さんに至っては水着まで買ってたので、成田空港の時点で既にだいぶ散在しているワタシ達。

フィリピンエアーで一路セブへ。この航空会社はセブへ直行便があるのです。めちゃめちゃ硬い機内食のビーフをワシワシワシと噛み砕いてるうちにあっというまにセブへ到着。セブ・マクタン国際空港に降り立ちました。

外へ出た途端にモワッとした空気に包まれるのかと思いきや、湿度は低めでサラサラと風が吹いてます。18時過ぎに着いたのですが、もうとっぷりと日は暮れていて、なんだかとても快適な感じです。日本よりも日の入りは早いみたい。

乗って来た飛行機はほぼ100%日本人ばっかりだったのですが、さらに降りた人の半分くらいはHISのツアーのお客さんで、しかもワタシ達と同じパシフィックセブリゾートに向かう人たちのように見えます。大型のバスに乗り込んで出発。

正味20分ほどのドライブでしたが、大きい道はないし、大きな街もないしで、明かりが全然なくてなんだか恐い感じ。今まで来た東南アジアリゾートの中でも一番田舎かもしれない。ちょっと不安だなあ。

さてホテルに着くと、みんなダイニングのテーブルに座らされて朝食のクーポンと、翌日以降のダイビングの予定を確認される。日本語で。すごく手慣れた感じ。ここのダイビングショップは日本人が経営してるので、日本人スタッフも多いのです。なんかまるで日本にいるみたい。

しかーし。部屋はというと、いかにもダイビング宿って感じ。ベッドがあって…以上!です。民宿みたいなもんですな。むー。まあ、しょうがないか。お湯が出るだけ感謝しなくちゃね。3日間だけだし。

そう。相方さんがライセンスを取るまではここにいるのですが、そのあとはもっと良いリゾートホテルに移る予定にしているのです。やっぱりダイビングライセンスって自分の身の安全を自分で守るための術だから、日本語で100%理解した方が後々の為かなあと思ってここのホテルを選んだのです<それなら日本で取ればいいんだけどさ、諸般の事情もあってね。

今日の夜はほぼ似たような日程でセブへ来ているYへちん達に会う予定。彼女らもダイビングライセンス取りに来てるらしいんだけど、ホテルがもうちょっと豪華なところなんだそうだ。でも、そのホテルに電話してみたら誰も出ない。ワタシ達の到着がちょっと遅かったからどこかへ行ってしまったのかなあ。ちぇっ。

しょうがないので、ホテルの中のレストランで食事。すると、そこに併設されているダイビングショップにYへちん達がいるじゃありませんか!話を聞けば近隣のホテル(と言っても10km以上離れてるんですが)から皆ここへ集まってきて講習を受けてるんだそうです。そんなわけでラッキーにも再会を果たし、一緒に食事。こちらのダイビング事情を聞いたり色々。

そうこうしているうちに一日目の夜は更けていき、皆を見送った後は部屋に戻ってばたんきゅー。相方さんは明日から講習です。

September 9th, Saturday

7時頃起きると、外は薄曇り。さほど暑くない。やっぱり湿気が少なくて日本よりも過ごしやすいみたいな気がする朝です。

セットメニューの朝食は悲しくなるくらい薄いトーストと味気のないスクランブルエッグ、そして怪しい色合いのソーセージでした。文句を言っちゃいけませんね、ええ、ええ。

さて、相方さんは8時からプール実習。ワタシはプールサイドで読書しながら、相方さんの頑張りぶりを見学。マジメにやってるみたいです。くくく。後で話を聞いたら、ワタシがすごくそばから見ていたにも関わらず全然気づかなかったほど集中していたみたい。よろしいよろしい。

ワタシも午後はファンダイブ一本。ホテルの目の前に桟橋があってそこから船に乗れるのですが、波が高くて船に乗り移れないので、しょうがなく船まで泳いでいくことに。ワタシ泳げないんだけどなあ…。ウェットスーツを着ていればとにかく浮いていられるので、どうにかこうにかプカプカと船へ。

しかし、海へ入る階段のところで足を滑らせて骨折する人が出るわ、船の支え木につかまったと思ったらそれが折れて海に落ちる人が出るわ、ダイビングが始まるまでにアクシデントたっぷりなのでありました。なんだか幸先不安。

結果としてダイビング自体もいまいち。大型の低気圧が通過した直後だったそうで、透明度が低かった。大物もいなかった。相方さんの方も(講習の人はビーチダイビングなので)汚い桟橋周辺の海しか見れなくて不満だったらしく、翌日は早起きして遠出しましょうということで意見の一致を見たのでありました。

そんなわけで、翌朝は6時出発ということに相成り、夜更かしせずに早く寝ましょうってことで、結局今夜もホテル内で簡単に夕食。ちょうど土曜日だったからか、レストランはダンスナイトと銘打って何だかエキサイティングな感じ。ビュッフェスタイル。

せっかくフィリピン美人がダンスに誘ってくれたのに相方さんは固辞しまくり。こういうとき日本の男の人ってノリが悪いなあと思うのよね。DDRは好きなくせに…。他の日本人男性も全然踊らないの。フィリピン人のダンサーは男性3人に女性1人だったから、結局日本人の女の子3人と男の子1人が出ていくことになるわけなんだけど、日本人の女の子の方はこういうときノリがいいからすぐ出てくるのよね。だからこの男女比がちょうどいいくらいだったのでした。計算してたのかなあ。ちなみにワタシは誘われたらすぐ行くぞ!くらいのつもりだったのですが、誘いに来てくれませんでした。しくしく。

September 10th, Sunday

早朝出発。ホテルから3時間くらいかけてスミロン島という所に行くのです。とりあえず行きは眠くて爆睡。ちなみにバスで行ったのですが、このバスが昔は日本にあったものだろうなあっていう感じなの。外側の塗装とか中の椅子とかは丸っきり変わってるんだけど、「出口」っていう表示が残ってたり、降りるときに押すブザーもそのままついてたり(反応はしないんだけどね)、なんかおかしい。でも、1oたりとも椅子がリクライニングしないのが長旅では辛かったっす。

「セブに来ました」と言っても実は今まではセブ島にはいたわけではないのよね。空港やホテルがあるのはセブ島にくっついているマクタン島という小さな島。ここにリゾートホテルなどが密集してるんですが、今日はセブの本島へ。こちらは大きな田舎町の中にたまに町があったりホテルがあったりという感じ。

家なんかもとても貧しい感じで、木と椰子の葉で出来たような感じのものばかりなのですが、途中で止まったガソリンスタンドは妙に近代的。全面ガラス張りで空調もガンガンに効いている。道すがら注意して見るとガソリンスタンドだけはどこも綺麗。なんでかしら。

やっとビーチに到着。大きな三角屋根の東屋の下に籐の椅子が置いてあってとてもいい感じ。ここから船に乗って30分ほど揺られていくと島に到着。

「到着」とはいっても島に上陸するわけではないのがダイビングの面白いところです。ドボンドボンと皆で海に飛び込む。大物はいなくてマクロ(小さな生物のこと)なダイビングでしたが、昨日よりは全然楽しめたかも。流れのある、いわゆるドリフトダイビングだったので、流れに流されるだけで良いから体力も全然使わないし。いそぎんちゃくが一面に生えていて草原の上から眺めているみたいでした。気分は風の谷のナウシカ。

ファンダイブというのは一緒に潜った人のダイビング能力によってもだいぶ違ってくると思うのだけれど、今回一緒に潜った人はみんな上手くて(と言うよりもワタシが一番ダイブ本数も少なくて下手だったので)、のんびり楽しく潜れました。

さらにダイビングの楽しさと言ったら、一緒に潜る見ず知らずの人たちと仲良くなれるところでしょうか。ワタシはやや嘘臭い薄っぺらなその明るさがあまり好きではないので、その場で話を合わせている程度なんだけど。中にはこうやって海外のダイビングで行き会って、そのまま日本に帰っても一緒に旅行して潜りに行ったりするような仲になる人たちもいるのです<まあ、知り合うきっかけに過ぎないんだけど、なかなかワタシはそういう境地に達しないのよね。

今回はダイブマスターという資格を取りに来ていた人と、女の子で連れの子がライセンス取ってる間ファンダイブに行くっていう人と、男の子で連れの人がセブシティに遊びにいっちゃったので一人だっていう人の3人が一緒でした。それぞれ一人ずつで参加していたから色々とお喋りしながらファンダイブを楽しんだのでした。

一方、相方さんも無事にライセンス取得コースを終えて、めでたくオープンウォーターのCライセンスを取得。これで晴れて一緒に潜りに行けます。わ〜い。

September 11th, Monday

午前中はのんびり起きて例の朝御飯。写真撮ったり、浜辺でぼーっとしたりしていると、急にスコールが降ってくる。でも30分も経たないうちに止んでしまう。雨季といってもこの程度らしい。

お昼ごろチェックアウト。大したホテルじゃないわり(<コラコラ)に食事代とか高かったし、遠くへダイビングに行ったしで、結構お金がかかったなあ。2万8千ペソ。1ペソが4円近いので10万くらいかかったことになるのか。は〜。お金かかるねえ。

そして、これから移るアレグレビーチリゾートの車が迎えに来てくれる。こちらはレンタカーといっても全て運転手付きなのですが、今回来てくれたのもそんな感じの車でした。

なぜか、運転手のサミーさんとフィリピンの経済事情について話し込みながら約1時間半のドライブ。こちらの失業率は65%位だとか。昼間っから道でぼーっとしている人が多いのはそのせいか。国の定めた日当は180ペソ(600円くらい)だけれど、それを守っている企業は少ないらしい。それなのに、お米がキロ25ペソくらいするらしく、とっても生活は苦しいんだそうだ。別れ際についついチップをはずんでしまった。

同情するというわけではないけれど、この島に日本からの観光客としている限りワタシ達は「持てる者」であるのは間違いない。おおいにお金を落としていけば、どこかでこの国の経済の役に立つかもしれないよね。

んで。アレグレリゾートホテルはセブ本島の北の端の方にあるのだけれど、広大な敷地を持った一大リゾート。とは言っても敷地の中は手付かずの自然を残した楽園的な場所です。全室がコテージになっていて、総客室数が40室という贅沢な場所なのだ。

チェックインしてお部屋の場所を教えてもらうと、ビーチの真上くらいで、海から一番近いとっても良い場所。

そして部屋へ入ってみると。とっても広くて、全体が木目調でいい〜感じ。天井が高くてコロニアルファンがついてて。扉を開け放つとお風呂からも海が見えるような造りになっていて、ベランダというか部屋の前の広いスペースにはテーブルとラタンの寝椅子が置いてある。うっわー。すっごい素敵な部屋。嬉しくって大はしゃぎ。

ひとしきり部屋を眺め尽くしたあとは、敷地内の探索へ。明日と明後日はダイビングに行きたいのでマリンアクティビティのオフィスへ。明日9時でも10時でも好きな時に来ていいよと言われる。翌々日は島へ行きたいと告げる。すると、すっごく良い島があるけれど3人以上じゃないとそこへは船が出ないんだと。せっかく行くのなら良いところに行きたいし…。じゃあ3人分払うから船を出してよと交渉してみる。明日の午後にどうするか決めるらしい。行けるといいな。

そのあとはビーチでシュノーケリングしてみたり。ホテルの目の前が珊瑚礁になっているの。ただ夕方は引き潮なのでずーっとずーっと遠浅で膝くらいまでしか水がなくて大変だったけど、それでもお魚もいくらかいて楽しめる。

プールへ行ってみたり。プレイルームで半分傾いたような台でビリヤードしてみたり。なんだかノンビリしてていいよねえ。これだよ、求めてたのは!って感じです。時間をまったく気にしないでぼーっと楽しむ。

夜はビーチのところでフィリピンの民族舞踊とお料理が楽しめるショーがあるというので、行ってみる。ちょっと早めについたので(ステージとかはないんだけど)かぶりつきの場所に座らせてもらう。まずはゆっくり食事。う〜ん。食事の質も今までのホテルとは全然違うぞ。レチョン(子豚の丸焼き)やら、バナナの花のサラダやら色々とフィリピン色豊かなものを頂く。

そしてショータイム。昔からある民族舞踊やら、スペイン統治時代の名残を強く残したダンスやら。最後はお客さんも一緒になってバンブーダンスを楽しんで(今回は相方さんも参加していた)、あっというまの一時間だった。楽しー。

そして波の音を聞きながら床に就く。

September 12th, Tuesday

昨日の夕飯を食べ過ぎたせいかちょっと胃もたれ気味なワタシなので、朝御飯のバイキングは少な目に。このバイキングも色々と充実していて見るだけでも満足。やっぱり食事は楽しまなくちゃねえ!

そしてダイビング。今日はホテルの目の前のポイントで。モーターボートに乗って3分位でポイントに着いてしまう。なんて贅沢なんでしょ。ホテルのすぐ前が30mくらいのドロップオフ(水の中の崖)になっているのだ。

今回は、初めての相方さんと一緒のファンダイブ。しかも潜るのはワタシ達二人だけ<ガイドさんはいるけど、お客さんはワタシ達だけ。贅沢ー。多少ドリフトしているけれど、ここも気持ちよくダイビング出来る。

…と思ったら、相方さんのエアが切れた!多少パニック気味になりながらも相方さんはガイドさんのオクトパスを使って浮上。残圧が少なくなってエアの出が悪くなったみたい。ここのショップはアメリカのダイビングギアを使っているせいか表示の仕方が違うので、判りにくかったのかもしれない。はああ、ドキドキした。

二本目は問題なかったのだけれど、相方さんはやっぱりさっきのせいで緊張していたのか、あっというまにエアが減ってしまったので早々に浮上。

ダイビングはちゃんとやれば危険は少ないけれど、自分で自分の安全を守らなきゃいけないんだよね。そんなことを自分でも再度認識しつつ、相方さんがダイビング嫌いにならなきゃいいがなあと見守る。明日も行くと言うのでちょと安心。島にも行けることになったし。

夕飯はレストランにて、バイキングスタイルでいただく。生バンドが演奏してる中、色々な国のお食事があってかなり豪勢。ワタシ的にはデザートのバナナのカラメル焼きがとってもお気に入りでありました。宿泊客は日本人が4割くらい、あとは韓国人やらヨーロッパ系の人やらって感じかなあ。

September 13th, Wednesday

さていよいよ今日は遠くの島へ行くことに。その名もガトーアイランド。船で三時間ほどかけて行くのです。波が高いよと言われていたので、やや不安になりつつも、朝の7時に出発。

結局ワタシ達二人しかいかなかったのですが、なんとまあ豪華なクルーザーシップで行くのですよ!貸し切り状態。昨日の二人だけのファンダイブもかなり贅沢な気分だったけど、クルーザー貸し切りなんてもう別格ですね。てっぺんでお日様を浴びながら昼寝をするもよし。ベッドルームがあって、そこのふかふかのベッドの上で寝るもよし。…爆睡してるうちに島のそばへ到着。

なんて言うんだろう。ポンっと火山から大きな岩が吹っ飛んできて海の中に頭を出しているみたい。すっごく小さな島。周囲ぐるっと歩いても20分かそこらだろうなあ。でも、海から上がろうとしてもずっと断崖絶壁で、その上は原生林が生い茂っている。1軒だけ家(?)があったけれど、そこも小船しか着けなそうだし、島の中に入っていくのも大変そう。嵐がきたら完全に孤立して、島全体が水をかぶるんじゃないかなって感じの、いかにもな無人島。

島の周囲は波が高くて、起こされた瞬間から船酔い。早く海に入れてくれーって状態。しかしこんなに荒れてる海に入るのも初めてかもしれないなあ。相方さんとワタシ、それにガイドさん二人が次々に飛び込んで潜行開始。海の上でぼーっとしてると流されてしまうのだ。

さて潜ってみると、海の中は穏やか。一本目は島のまわりを泳ぎますと言われていた。海の中も岩がボンボンボンと落ちていて、そこに珊瑚とか海草とかイソギンチャクとか色々なものが張り付いてて何だか不思議な感じ。岩と岩の間をすり抜けたり、トンネル状になっているところをくぐったり冒険しているみたいです。イカやらサメやらエイやら、やや大物も見れたし!

相方さんはやっぱりエアの消費が早いので先に上がって、ワタシはもう一人のガイドさんとちょっとゆっくり。上がってみると相方さんが船酔いでぐったりしている。ワタシも上がった途端にまた気持ち悪くなる。お昼ご飯食べていいよと言われたものの、とてもそんな気分になれずグッタリ。こういう海の上って逃げ場がないのが辛いよね。楽しそうに食事している船のクルー達を恨めしく眺めながら休憩。

ようやく「二本目行こう」との声がかかったのでスタンバイ。さっきよりも揺れが激しくなってるような気がするぞ。気持ち悪いよぅ。

ドボンと入ったものの、あまりにも流れが激しくて合流できず。各自で潜行して海の中で合流する。今度は洞窟の中へ入るのです。ナイトダイビングみたいに真っ暗だそうなので、ライトを持って、海の中で大きく口を開けた洞窟に入っていく。

最初のうちは外からの光が入ってくるので様子が見えるものの、段々本格的に真っ暗になってくる。細いライトの明かりだけを頼りに奥へ奥へと進んでいく。途中、ここでしか見れないというロブスター(の先っぽのヒゲ)が見えたり。魚たちも暗闇なのでボーッと寝ているのを起こしてみたり。

そうこうするうちにガイドが浮上の合図を出す。ゆっくり上っていってみると、洞窟の中にいるというのに水面に顔が出た。島の内部が空洞になって底の方が海と繋がっているのだ。遠くの方に洞窟の出口が見え、外の海に繋がっているため明るくなっている。天井はかなり高く声が響く。なんだか神秘的な感じ。クライブ・カッスラーの小説の主人公、ダーク・ピットにでもなったような気分。宝捜しにでも行くみたいだ。

また水の中に潜り、入ってきた口へと戻る。ゆっくり泳ぎながら浮上。水面近くに無数の魚が群れになって泳いでいる。黄色っぽい魚と青っぽい魚。どちらも向きを変えるときに日の光のせいかキラッキラッと光るのがとても綺麗。

満喫しながら水面に上がってみたら、やはりそこは大荒れ。しかも船からは遠く離れている。どうやって船に見つけてもらうのかと思ったら、シグナルフロートを使うのだった。これはフィリピンで潜るときは必ず持っていなければいけない道具なんだけど、ようは目立つオレンジ色のビニール製の細長い袋。これにレギュレーターから空気を入れて立てておくと遠くから見ても判るというわけだ。実際に使うところは初めて見たけど。

船にようやく引き上げられた瞬間にやっぱり船酔い。もう帰るだけなのだけど、これから三時間この大揺れの中を帰るのかと思うと気が遠くなる。なんとか寝ようとしても気持ち悪くて寝れない。だいぶ長いこと辛い思いをした後、一回吐いたら楽になって後はずーっと寝ていた。

16時過ぎにホテルへ戻ってくる。ああ、長い旅だったー。辛かった。でもあんなに船酔いになっても行って良かったなあと思える素晴らしいダイビングだった。自分の短いダイビング歴の中でも一番良かったかな。

でも、その後も体のだるさは全く回復せず、部屋でぐったり死亡状態だったので、夕飯はルームサービスをとって簡単に済ませる。21時頃には寝てしまったかも。

September 14th, Thursday

夜中からずーっと相方さんがトイレに行き続けている。ワタシは朝方になるまでちゃんと目が覚めなかったのだけど(<ひどいやつ)、話を聞くとひどい腹痛と胃痛に襲われているらしい。胃痛については一昨日あたりから言っていて、ダイビングで恐い思いをしたからストレスかなあなんて話していたのだけれど、今朝になっても治らないどころか悪化しているみたい。さらにひどい腹痛ですって?何かにあたったのかしら。ワタシと違うものはほとんど食べてないんだけどなあ。昨日の夜のルームサービスのサラダかな。

とりあえず行きの成田空港で買った正露丸と胃薬を飲ませて寝かせておく。心配なのでワタシも今日は一日部屋にいることに。ベランダで風に吹かれながら読書をしたり、この旅行記を書いたりして時間を過ごす。

午後になって相方さんもようやく落ち着いてきたみたい。今日はすごい風。天気は良いのだけれど、波が高い。今日ガトーアイランドに行くのだったら更にひどい船酔いに見舞われていたに違いない。

それにしてもここでボーッとしていると、何も考えない。町へ行くプランもあるにはあるんだけど、ここでノンビリしてる方がいいかなあと思ってしまう。ちょっと違うんだけどホテル・カリフォルニアみたい。ここを出ていっても良いのだけれど、出て行きたくならないというか。まあ、そんなことを言っていても、明日までしかいられないんだけどね。

ボーッとする時間をこれほどにも欲していたなんて、そんなに自分が疲れていたのかと改めて驚いてしまう。小さい子を見るにつけ、あれくらいの年の頃は「こういう所に来てもすることがなくてつまらない」と言っていたっけと思い出す。日々の生活で疲れが溜まるなんてこともなかったんだよなあ。

今回は図らずもネットからも完全に離れた生活になってしまった。仕事のメールくらいはチェックするつもりだったのだけれど、最初のパシフィックセブではまったく繋げる状態ではなかったし、アレグレも部屋からは繋げない。ビジネスセンターなら繋げると言われたのだが、今度はパスワードが全部拒否されてしまって繋がらない。

ちょっと心配ではあるけれど、こんな生活もありかなと。たかが一週間ネットに繋げないだけで不安になるなんて、あまりにもネットに依存しすぎでしょう。大企業の中のワタシのようなペーペーの社員が一週間連絡つかなくたって大問題が起こるわけがない、と信じたい<ああ、小問題は起きてるかも<小心者<でもまあ、明日は日本も休日だし、これ以上問題は大きくならないでしょ。

ちなみに前のホテルにいる間はテレビすらもなくて情報が入ってこなかったんだけど、アレグレでは日本語放送(NHK)が見れます。なので愛知が水没した話も聞いたし、明日が敬老の日だってことも思い出したのでした。そういえば、明日からオリンピックが始まるってことすっかり忘れてた。

夜になって、だいぶ元気になってきた相方さんがお腹空いたと騒ぎ出したので夕飯へ。ビーチを通ってレストランへ向かうと、なんとまあ、見事な満月。海が金色に光っていて、空気は薄蒼く澄んでいる。自分の影がはっきりと地面に映り、相方さんの顔もはっきり見えるくらい明るい。前に神津島へ行ったときにも感じたんだけど、浜辺で見る満月は何だか神秘的なのよね。心も澄んでいくような気持ち。

September 15th, Friday

明日は早朝にチェックアウトしなければいけないので、実質今日が最終日。町へ出るかどうか散々迷ったんだけれど、町と言ったって東京にも町はあるよってことで、ホテル内でリゾート気分を最後まで満喫することにしました。

今日も風は強いけどいい天気。夜早く寝ているので、朝も比較的早く目覚めるし、とっても健康的な日々。明日の夜には家に戻ってるなんて想像つかないなあ。午前中はお部屋の内と外でごろごろしたり本を読んだり。午後は卓球したりテニスしたり。写真も撮ったし、お土産も少し買ったし。やるべきことは大体やったかなー。

ちなみに、日本で連休になるせいか、昨日の夜から日本人のお客が倍増。パシフィックセブと同じような状態になってます。ワタシ達が来たのは週の初めだったせいかお客さん少なかったんだなあと今更ながら気づいたのでした。

ワタシ達の静かな聖域を奪わないでよと、偉そうに思ってみたりもします。だって女の子四人組とかがレストランや静かな浜辺で嬌声あげてるんだもの。今まではカップル客ばかりだったから、そういう場面に遭遇しなかったのよねえ。ワタシ自身も決してそういうタイプの人間ではないし<まあ、そういう友達と一緒にいることは多いからあまり威張れないけどね。

こういう時はついつい人間観察してしまいます。

レストランで見かけた夫婦。どちらも40になるかならないか位の年の頃なんだけど、奥さんの方はいかにも生活に疲れてるみたいで化粧っ気もないし、玄関からつっかけで出てきましたって感じの人。旦那の方は20年前のファッション?って感じで昔のサーファーみたいな感じ(<言いたい放題だな、もし読んでたらどうしよ…)。

場違いな人は来るなとかそういうことじゃなくて、なんでわざわざフィリピンの片隅のセブ島の更に田舎の方に来ることにしたのかなあとか考えてしまった。旦那さんの方が結婚してからずーっと奥さんに迷惑かけっぱなしで、一度も奥さん孝行したことなかったから連れて来たのかなとか。そういえば奥さんの方はなんか感極まった風情かも、とか。でも実はそんな風に見えても、年に10回以上海外旅行してるような旅慣れた夫婦だったりしてとか。

あと、おばさん二人連れ。伊豆あたりの温泉の方が似合いそうな感じなんだけど、旦那のいないところで羽を伸ばしましょてな雰囲気が伝わってきて、ちょっと微笑ましい。片方のおばさんなんかワインで真っ赤になっちゃって、「デザートはもう入らないわよ〜」とか大声で喋ってる。ワタシも20年か30年したらあんな風なのかなあとか。

そんなことを考えながら最後の夜は更けていったのでした<それでいいのか?

September 16th, Saturday

朝御飯を食べて名残を惜しみつつ、8時前にはチェックアウト。ずいぶんと長い間いたような気もするけれど、でもあっというまだったなあ。しかし随分と贅の限りを尽くしたようで、すごい金額の請求にびっくり(部屋代も込みだったせいもあるけど、でも高かったよなあ…)。

ロビーには他にも日本人のHISツアーの人たちがいたのだけれど、それを尻目にワタシ達二人専用の送迎のバンに乗り込む。そうそう、アレグレはツアーじゃなくて自分達で申し込んだんだっけ。

す〜いと空港まで着いてしまい、おおいに時間が余っているものの、あまりに何もない空港ですることがない。まだ会社の人へのお土産とかも買ってないんだけど、困ったなあ。トランジットのマニラに期待しよう。

…ってことでマニラに着いたのですが、ここもイマイチなのでした。本当にタバコとお酒と香水とチョコレートしか売ってない免税店。こんなに充実してない免税店は初めて見たかも。口紅とかの化粧品もないし、ブランドショップとかもないし。むー。さすがに両方の親にお土産なしってわけにもいかないので、苦肉の策でウィスキーを買う。日本で買えないこともないんだけど、しょうがない。

それ以外にフィリピンらしいお土産と言っても、貝細工とドライマンゴーとあやしい乾物くらいしかないし…。買っていっても、あまり喜ばれなそうな気がする。そんなわけで会社の人へのお土産は世界中どこでも買えるチョコレート。ま、味に間違いはないから良いでしょう。

そうこうしているうちに搭乗時間となりフィリピンともお別れとなったのでした。

ちなみに飛行機の中はフィリピン人の若いお姉さんや、日本人のおじさんの集団でいっぱい。すごく判りやすい客層でありました。なんだかなあ。セブにあんなに一杯いた日本人カップルはどこ行っちゃったんだろう。直行便で帰ったのかな。

16日午後7時50分帰国。東京の方が湿度が高いっす。辟易。でも、いつも通りの日本の風景にちょっとほっとしたりして。やっぱり年を取ったのかなあ。旅行先も勿論素晴らしいんだけど、帰ってくるのもまた楽しみに感じるようになってきた今日この頃。

ワタシ達自身もいまさら新婚旅行なんて…という感じで単なる旅行だったのですが、まあ贅沢したし。あと相方さんと共通の趣味を作れたのが今回の大きな成果、かな。成田離婚になるような大喧嘩には見舞われませんでした(笑)。またダイビングしに行きたいなあ。次はパラオかな?<希望。

We live happily ever after?